利回り10%の物件と、利回り5%の物件があったら、どちらを選びますか。
多くの方は10%と答えるかもしれません。私も、数字だけ見ればそう思います。
ただ、不動産投資の世界では、利回りだけで物件を判断することはありません。
例えば、次のような2つの物件があるとします。
A物件
・都心駅近
・築5年
・利回り5%
・賃料はやや割安
・管理費はやや高め
B物件
・地方
・築5年
・利回り10%
・賃料はマーケット水準
・管理費もマーケット水準
条件だけを見ると、B物件の方が魅力的に見えるかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか。
利回りが高い物件には、立地、空室率、築年数、権利関係など、投資家がリスクと考える要素が織り込まれていることがあります。
だから私は、「利回りが高いか」ではなく、「なぜ、その利回りなのか」を考えるようにしています。
私は以前、鑑定評価の仕事をしていました。
鑑定評価では、利回りについて、他の金融資産との比較、借入金と自己資本の構成、取引事例など様々な視点から理論的に組立ていきます。
一方で、実際の投資の現場では、利回りについて、理論的な考え方とは異なった視点で決定されることも多く見られます。
「この価格で取得するなら、このくらいの利回りは欲しい。」、「スポンサーが期待するリターンを確保したい。」など、
いわば現場の事情から利回りが決まる場面も少なくありません。
つまり、理論から利回りを考える世界もあれば、価格から利回りを考える世界もあるのです。
そして、「利回り10%と5%、どちらを選びますか」という問いについて、もう一つ面白い視点があります。
それは、「この不動産には、これから価値を高められる余地があるのか。」ということですが、この話はまた別の機会に書いてみたいと思います。
不動産を、ひとつの見方で終わらせない。
利回りについても、同じことが言えるのかもしれません。